自分と他人の溝を理解しよう


◆自分と他人の溝を理解しよう

自分が一生懸命頑張っているのに、あの人は理解してくれない。
これほど尽くしたのに、何も応えてくれない。
思った通りの反応をしてくれない。
日常生活でよくある情況ではないでしょうか?

自分と他人には、絶対的に埋められない溝があります。
このことに反発される方も多いのではないでしょう。
「私と彼は上手くいっている」「俺と彼女はお互いなんでも知っている」
そんな感じで反発を感じている方もいらっしゃると思います。
または、
「あっても頑張れば絶対にその溝を埋めることができる。」
そのようにお考えなのかもしれません。

誤解されないで頂きたいのですが、溝がある=仲良くなれないというわけではありません。
どれだけ近づいても、中が良くても、確実に異なる点が無数に存在する、ということです。

◆例えば・・・・

例えば誰から見ても仲の良い夫婦がいるとします。
いつも一緒で、言いたいことを全て言わなくてもお互いが理解しておりケンカなどとは全くの無縁です。
しかしこの夫婦にも決して埋められない溝はあるのです。

まず、夫婦なので異なる性別です。
そして血縁関係は結婚以前にはありません(あったら結婚は認められません)。
そして何より育った環境とそれにより考え方が違います。

これらは結婚以前に作り上げられたものなので、決して同じになることはありません。

「当たり前だ!」と言われるでしょう。しかし、この当たり前を認識できているかどうかが問題なのです。
今、「当たり前だ!」と考えられた皆様にお聞きしてみます。

この"当たり前"を

・仲の良い夫婦の例を出された時から認識していた。
・夫婦の溝を具体的に挙げられて始めて認識した。

どちらでしょうか?

前者であれば、自分と他人の溝をほとんどの人よりはっきりと理解しておられます。
後者であれば、自分と他人の溝を受け入れられていないのです。

受け入れられていないため、溝と言う存在を認識から消してしまい指摘されても「そんなの当たり前だ!」といって再び認識から消そうとするのです。

前者の当たり前は溝をはっきりと認識して、存在を認めている肯定の意味です。
しかし後者の当たり前は、もう一度認識から消してしまうための当たり前であって、否定の意味なのです。

まずは人間同士の"溝"を認めてみましょう。
そして、溝があるからと言って決して二人が結ばれないと言う事ではないのです。

◆クローン人間でも

二人の人間に在る溝というものは決して埋まることがありません。
例えば記憶まで完璧に一致させたクローン人間があなたの目の前に二人現れたとします。
全く同じ二人ですので、全く同じような関係になると思いますか?

想像してみてください。あなたが最初に視線を向けるのは右のクローンですか?左ですか?
その時点で「最初に視線を向けられたクローン」と「最初に視線を向けられなかったクローン」という差が生じます。
そして「最初に視線を向けられたクローン」は何故最初にこちらを向いたのか?と考え出します。
私に好意を持ったのか?と思うかもしれませんし、自分の容姿がおかしいのかもしれない。と思うかもしれません。
「最初に視線を向けられなかったクローン」は逆に自分が嫌われていると思って、あなたを嫌い出すかもしれません。
その結果、二人のクローン人間に生まれた溝は、二人を別のものとして分断するでしょう。

◆なぜこの夫婦は溝があるのに仲が良い?

では前述の夫婦は誰が見ても仲が良い夫婦なのは何故でしょうか?
クローン人間ですら溝が生じてしまいます。
今までの説明を踏まえるならば、この夫婦の溝によって決して二人は交わることがないように見えてしまいます。

しかし、この夫婦は評判の仲良し夫婦です。何故でしょうか?
それは夫婦生活という点で、お互いの方向性が一致出来る部分があり、同じ方向に向かうことが出来たからです。
一致している限り、離れずに重なって進むことが出来、結果として中の良い夫婦となります。
もし何らかの原因で方向が一致しなくなると、徐々に離れていきそのうち完全に離れてしまいます。
(=離婚してしまうということです。)

◆もう少し別の例で

人間というのは多くの経験や知識が積み重なって形成されています。
数字に例えて考えてみましょう。

夫:2?3?7=42
妻:1?5?9=45

この二人の元となった数字=人生経験(夫なら2,3,7,。妻は1,5,9)は全く異なることがわかります。
これが二人の人生経験を表しており、見ての通りその要素の数字は全く違います。
そして、その結果生まれた二人(夫なら42,妻は45)と全く異なる数字となっています。
この数字が今の二人の性格であり、本人そのものだとお考えください。

では、何故この二人が仲良し夫婦になれたか?
前述の説明で、「お互いの方向性が一致出来る部分」とは一体何に当たるか?

この42,45の数字には公約数があります。
1を除くと、3が約数であり、42,45はともに3で割ることができます。
その他の数字は存在しません。

では、この3と言う数字はなんでしょうか?
これこそが全く異なるはずの二人に間に存在する共通点であり、「お互いの方向性が一致出来る部分」なのです。

この部分が在るために、他人と私達は仲良くなれたり、あるいは恋人、夫婦などになれたりすることができるのです。

◆溝は決して埋まらない。けれども・・・

このように、溝があっても友人、恋人、夫婦となることができるのは当たり前のことなのです。
問題なのは、「人間とはそれぞれが全く異なり溝が存在する」ということなのです。
このことを理解せずに(=溝という存在を無視して)お互いが一致したと誤解していると突然の別れや喧嘩となってしまうのです。

皆様も、今、仲良くしている友人や恋人、夫婦がおられましたら、ぜひお互いの溝というものを考えて見てください。
その上で、「何が全く異なる二人を一致させているのか?」ということを考えてみてください。
それがわかった時、きっと今以上に仲がよく、気持ちのよい時間を過ごすことができるようになります。

関連項目:間違った決断とは?