思い込みを捨てよう!

◆思い込みとは

思い込みとは何でしょうか?
おそらく私なんかに言われるまでもなく、多くの方が知っているのではないでしょうか?
思い込みとは辞書的な意味では「ある考え方にとらわれて、合理的・理論的な考えや推論を無視して真実だと思い込むこと。」とあります。
難しい言葉で説明してありますが、大体の意味やニュアンスは分かりますし皆様もそうだと思います。
しかし、思い込みにも様々な形があり色々な方法や状況であなたに誤解や錯覚を与えているのです。

◆壁の穴

私が学生時代に住んでいたアパートで、友人を呼んで授業の合間にくつろいだりすることがありました。
友人に留守を任せて買い出しに出た後、戻ってくるとなんと壁に穴が開いています。
どうも寝転んでくつろいでいた時に、蹴り飛ばすか何かしてしまったのでしょう。
(そんなことで穴の開く安アパートなのもお恥ずかしい限りですが・・・・)
友人はすぐに謝ってくれましたが、壁の穴がすぐに塞がるわけではありません。

低い位置にあるということもあり、しばらくは小さなステッカーのようなものを貼って凌ぐことになりました。
そのステッカーは友人が好きな海外バンドのステッカーで、来日した時の会場で貰ったものだったそうです。
大きさも調度良いのですが、殺風景な私の部屋に原色たっぷりのステッカーはかなり浮いていました。
なにより、そんな目立つものの奥には穴が開いた壁があるということはとても気になりました。

しかし不思議なもので、気になってやきもきしていたのは2〜3日くらいだったと思います。
休日をはさんでいたのではっきり覚えていますが、月曜日に忙しい日常に戻され授業とレポートに追われているうちに壁のステッカーは全く気にならなくなりました。
そして、その週の金曜日(つまり穴が開いてから1週間位)するとステッカーのことが気にならなくなりました。

ここでの私の思い込みとは、「壁の穴」という事実を徐々に「ステッカー」に置き換えていったことにあります。
つまり、
「壁の穴」→「急ごしらえのステッカー」→「とても気になるステッカー」→「ただのステッカー」→「自分の部屋の当たり前の風景」
と徐々に自分の認識を変えていった、言い換えると思い込んでいったことになります。

このような形での思い込み、というものも存在するのです。

◆他人に対する思い込み

他人に対する思い込み、というものは上記の例に比べるともっと一般的なものです。
例えば・・・・

Aさんは頑固で自分の間違いを認めない人だ、とあなたが思い込んでいるとします。
実際、Aさんはあなたの知る限りでは頑固で間違いを認めないし、自分が間違っていることが明確に鳴ったら怒り出します。
あなたが怒られた回数も1度や2度ではありません。

ところがある日、あなたは初めて見るお客さんからAさんについてこんな話を聞かされます。

「Aさんはこちらの話を必死に理解しようとしてくれている。素晴らしい人だ。」

そう言ってそのお客さんはAさんを絶賛します。
あなたが普段ムカムカして忌々しく思っているAさんとは全く違う、180度逆のイメージを持ってしまっているのです。

考えてみてください。
あなたがもしそんな場面に遭遇したらどう思うでしょうか?
この例のAさんで想像が難しいなら、実際にあなたの回りにいる鼻持ちならない人に置き換えてみてください。
そして、ある日突然やってきた部外者がその鼻持ちならない人間を褒め出すのです。
それもあなたが嫌っている部分を180度逆にして、そこを褒めてくるのです。

どうでしょうか?
ムカムカしませんか?

◆他人に対する思い込み2

Aさんの例に話を戻してみましょう。
実はAさん、頑固だ話を聞かない奴だ、と言われいるのをはっきりと認識していて密かに直そうとしていたのです。
しかし普段の手前、いきなり周りの部下や同僚の前では恥ずかしい・・・。
それならまずは、自分しか合わないような人間から試してみよう!

そういって滅多に自部署に来ないような取引先の人間に対して、頑固で話を聞かない態度を改めていたのでした。

実はこれは私の以前務めていた会社で実際にあったことなのです。
その事を知った私は何を思ったと思おいますか?

「Aさんがこんな素晴らしい事をしていたなんて知らなかった・・・・Aさんを見なおした!!」

と思ったでしょうか?
Aさんに対してネガティブなイメージしか無かった私はそんな事は全く思いませんでした。
それどころか、

「あのAさんがそんな事するはずがない」

「Aさんが自分から反省するなんてありえない。」

そう言って全力で否定していました。
さらにいえば、そのお客さんに対してもいい感情をもちませんでした。

◆他人への思い込みと実際が違うと

つまり私は、他人への思い込みとその実際が全く違う情況に直面したのでした。
日常生活でありがちな、「自分の知っていることが間違っているかもしれない」という情況です。
そんな時に自分が判断を下す目を曇らせるのが思い込みです。
もっと言えば感情です。
この場合、目先の事実よりも「私はAさんが大ッキライだ!!!!!」
という感情が理論よりも事実よりも先に来てしまい判断を間違った方向に進ませます。

さっき上げた私の言葉は判断などではなく願望だったのです。

「あのAさんがそんな事するはずがない」

「Aさんに反省なんてして欲しくない。私のイメージ通り(頑固で他人の言うことを聞かない)悪役を演じ続けて欲しい!」

 

「Aさんが自分から反省するなんてありえない。」

「Aさんが欠点を克服するなんて許せない。欠点は欠点のままでいろ!」

私にはそういう願望があったのでしょう。
今となってはそう思えます。実際、Aさんは職人気質な方で業務では確かな手腕の持ち主でした。
業務ではかなわないと潜在意識で思っていた私が、弱い自分を守るために目をつけたのが「頑固で他人の言うことを聞かない」という欠点だったのだと思います。

◆他人への思い込みを捨てよう

このように他人への思い込みというものは殆どの場合、感情や願望が変化したものとなっています。
もし、あの人は○○だ。と思っているような事例がありましたらそれはきっとあなたの願望そのものなのです。

その人に対して、こういう人物を演じて欲しい〜 ということを思ってしまっているのです。
そして殆どの場合それは無意識のうちに態度に出てしまっていて、相手にも確実につたわってしまっています。

他人への思い込みを見つける方法は簡単です。
身近な人物を一人思い浮かべて、その人を一言で表すと?
ということをやってみると「〜さんは〜だ。」という形でできると思います。
そして次に、「〜さんは〜なのか?」と文の最後を疑問形に変えてみましょう。
そしてそれを意識しながら接してみます。

たったこれだけです。
もし忘れそうに鳴ったら、メモか何かを見て思い出してみましょう。
もしそれがあなたの願望による間違ったイメージなら、1週間くらいでだんだんとギャップが出てきて違いがはっきりとしてきます。

関連項目:間違った決断とは?